茜空
あ、
かえちゃん
お帰りー
背中まである
ゆるゆるの
茶髪を
頭の
てっぺんで
きゅっと
結んだ
おかーちゃんが
くわえてた
タバコを
ぎゅぎゅっと
揉み消して
直ぐさま
アタシに
近づいて
来た
やだ〜
かえちゃん
まだ
ヒマン体〜?
アタシの
お腹の
肉を
楽しげに
おかーちゃんは
ポンポン
たたいた
おかーちゃん
帰ってたんだね
顔見れて
嬉しいの
最初
だけ
テンションは
上がって
間もなく
急降下
おかーちゃんの
言動には
正直
アタシ
ついていけない
しばらくぶりで
会ったから
そのこと
すっかり
忘れてたよ
おかーちゃんと
話してると
いつも
いらいら
するのを
思い出してきた
だいたいさ
ヒマン体
じゃなくさー
ぽっちゃり
とか
プクプク
とかさー
もっと
別の言い方
あるじゃん??
デリカシー
って
言葉
しってる?
…わけ
ないかも…
心の中で
いっぱい
文句
言ったって
アタシ
口に出さないから
だって
おかーちゃんには
アタシの
言葉は
何一つ伝わらない
…あとさ
おかーちゃんの
爪
怖
ムラサキ色に
妖しく
光って
鬼
みたいな
アタシの
肉に
食い込んで
八つ裂きに
されそう
みたいな