茜空



アタシが
学校行く時間に
なっても

おかーちゃんは
起きて
来なかった

自転車の
鍵を
がしゃん
と開けたら

おかーちゃんが
その音で
起きたみたいで

窓を
ばっと
開けた


かえちゃん
あたしさぁ
今日
帰るね

一応さぁ
なんかあったら
メールとか
くれれば
いいし


うん
じゃ


毎日
会ってる
お友達と

ふつーに
バイバイ
するみたいに

いつも
みたく

アタシと
おかーちゃんは
遠く
離れる




夕方

予告通り
わが家から
おかーちゃんが
消えた

おじいちゃんと
おばあちゃんも

自宅から
少し
離れた
畑の
世話をしに
行って
留守
だった

やけに
静かで
落ち着かない


かえちゃん


え!
おかーちゃん
実は
まだ
家に
いるとか?!

帰ったかと
思ったょ
もー

急いで
階段を
駆け上がる


おかーちゃん!


アタシは
おかーちゃんが
いつも使う
部屋の

ドアを
勢いよく
開いた



!!
眩しい!!


目が
眩んで
一瞬
何も
見えなかった


やだ
この部屋
思いっきり
真西
なの
忘れてたよ



これ


夕焼けだ…



あれ?

おかーちゃん
やっぱり
いない



したはず?




やっぱり

やっぱり

おかーちゃんと
一緒に
行けば
よかった

なんで
夕焼け
なのよ

おかーちゃんと
歩いた
あの日
みたい
じゃん

思い出しちゃう
じゃん!!


出そうと
思ってない
のに

勝手に
ボロボロ
涙が
落ちて

止まんないし

アタシ

どぉしたら
いいんだろぉ…


不覚にも

アタシ

一面の
茜色に

包まれて

号泣した
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