風前の灯夫婦の北海道珍道中
(2)
次の日は釧路湿原にいった。もうセミがドンドンないている。レンジャーの人が
名前はエゾ春ゼミだと教えてくれた。この日は暑い、湿原をあるいている女性が「超絶暑い」と太い体を揺らしながらさけんでいた。

北海道旅行でかかせないのがソフトクリームだ。いく先々でラベンダー味とか色々たべている。ここでもまたソフトクリームを食べた。オイシイ。アア、どうして北海道に来るとこうアイスばかりたべているんだろう。だから太るのだ。帰ってから瑠璃子がはかったら本当に2K太っていたのだ。

まともにホテルに泊まる最後が今夜だ。あとはまたユラユラ フェリー十何時間の帰り旅だからだ。
安いせいか、ここは都会のせいか狭かった。今までは比較的田舎に泊まったので安くてもひろく豪勢であったのだ。その時はチョットいい気分でした。

まあ、これが普通なのであろう。とにかく今夜は北海道さいごの夜なので、贅沢に行こう。まずは蟹だ。最後だ、酒もうんと飲む。ああ、瑠璃子はせいぜい一杯位しか飲めない、ほとんど下戸だ。つまんないよ。
にくい陸男だがあの浮気まがいの女の話は極力避けて何とか今夜まで来た。偉いよ、瑠璃子。
酒場だが、地の利が無く結局よくわからないので、ホテル近くに決めた。安いのかどうかわからない飲み屋にはいった。まだ世間は明るいせいか客はすくなかった。お店のお兄さんがやさしくて色々話しかけてくれた。
瑠璃子もつい、色々旅のはなしなど、、、。
なにが美味いのかわからない、酒類と一緒に数品頼んだ、勿論蟹もたのんだ。

蟹は品物は悪くないのだが、煮すぎて味がなかった。まあ、いい、自分らは一元さんでもう来ない店だ。
さて釧路から、翌朝は襟裳岬まで行く旅だ雨は降っているし、疲れと、長旅で少々車酔いの瑠璃子だ。
実に遠い。約半日かけて、やっと襟裳岬辿りについた。いけどもいけども、荒野と次は荒れた海がつづく旅だった。
あれでも集落なのであろう。なんけんかは家がある。
あたりまえのようにこの北海道では釧路では「釧路の夜」の歌が、あるところでは流れ、ここではまた「襟裳岬」の歌がながれている。ご当地ソングもあまり流れすぎてもう笑うしかない。ここでは今日は風が凄い
襟裳岬の何件かの家の中でその大きなものがお土産屋兼食堂と、博物館。これはアザラシをメインにしている。双眼鏡が備えてあって、沖の岩にいるアザラシの群れが見えるようになっている。「今日は何頭います」という表示もある。
まず、空腹の為食堂にはいる。結構たかい。魚の定食をたべる。さすがに旨い。

それから、博物館「風の館」を見て、外へ出て、襟裳岬を歩いて堪能した。

あとは帰りのフェリ―のいる、苫小牧まで車で飛ばすだけだ。途中で又雨がふってきた。襟裳岬に瑠璃子たちがいる間だけは幸運にもあんなにいい天気であったがまた降ってきた。途中、日高を通り、馬がたくさん放牧されているのをながめた。

「ああ、こんなところで馬と暮らすこんな毎日もわるくないな。」
そうすれば陸男の女関係もワスレラレルカモー。イヤイヤそれはないだろう、あまいあまい。
途中コンビニで夜の弁当をかった。また船のなかで夜、食堂にいくのもめんどうだし、どうせ、明日は朝食、昼のランチと2回も食堂の世話になる。まあ、あまり行くところも船内はないのでいい時間つぶしではある。今夜くらい食堂に行かなくてすみたい。
コンビニで肉の弁当をかった。おいしそう。

割と早く苫小牧の港につく。瑠璃子はおひとりさまで渡り廊下から船に入る。ルールだから仕方ない。来る時と同様だ。陸男は車で一人で入るからたいてい後から船にはいってきた。瑠璃子だけ最初に自分たちの部屋につく。

窓のある部屋を頼んだら、和室になってしまい、その上狭いこと。来るときは運がよかったのか4人部屋だったせいかユッタリしていて、トイレも、シャワーもついていて2人で使うので非常に優雅であったのだ。
今回ここには椅子セットが無いのだ。慌ててまだ駐車場にいるであろう陸男に電話して、キャンプ用イスをもってきてもらって本当にたすかった。船が動き出すともう駐車場には入れない。この部屋は狭いうえ、椅子のひとつもないと本当に辛いのだ。だって十何時間も船上にいるんだよ。

帰りの船については慣れたせいかなんだかあまり驚きはなかった。
やがて翌朝になり放送で朝のライブでピアノの弾きがたりがあるというので暇だからいった。誰も客はいなかった。行きの船の時の化粧オバケの歌のライブではあんなに客が入ったのにこういう高尚なのは人気がいまひとつ。
まあ、その内一人また一人と客がふえ、10人位にはなったか?
次にその場所で映画「カノン?」という映画がかかるとアナウンスがあったので行った。今度はけっこう客がはいっていた。3人の女性が主人公でおもしろかった。

そんなことで時間をつぶして、そろそろランチでレストランに赴き、また食べた。本当に船ではすることもなく食べてばかりいる。運動しないとね、太るよ。

ゴロゴロしているうち、3時ちかくになり、下船は一緒に自分の車でおりられるので、はやばやと、下船の列に並んだ。

船から降り、帰りはもう夕方で急に気候は暑くなり、途中はげしい夕立にところどころやられ、雷やら虹やら大忙しの空のもと家路にいそいだ。ああ、こうなると一刻も早く我が家に帰りたい。

夜には一週間ぶりになつかしい我が家に帰りついた。
以外や夫婦とも元気でよかった。明日には息子の「結婚式場見学」がある。まあ良い前兆かもね。

まとめでーす。
この一週間の北海道で陸男のおんな問題が瑠璃子からはなれてくれればと切に願ったが、まあ、あまり効果はなかったな。
それほど強烈だったということでもある。しかしやはり北海道はほっかいどう。よかった。悩みながらだけど、そう、悩みが無ければもっとよかったけど、悩みやヤツの女に負けてては瑠璃子がつぶれてしまう。人生は一度きりだもの。しっかり生きていこうと深く決心する、けなげなおんなひとり、瑠璃子さまですー。
  おしまい
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