引き寄せ♡しあわセイション




「いや、違うんで」

「だったらほら、コブになってたらいけないからまずは入って下さい」

「腕引っ張られても違うんで」

「いいからそう言わず」

「だから違うんで」







「木下さんを助けたいんです」
「木下さんじゃないんで俺」


「え?」
「 … 」


「ぇえ?」
「 … 」



「え?、木下真斗さんじゃ…」
「…じゃないですね」









惜しい
全く惜しい。
非常に惜しい。





普通にしてたら充分可愛い人で通るのに。
黙って座ってたらその辺の女優と引けを取らないのに。


見つめ合った茶色の瞳の奥が申し訳無さそうに揺らいだ。

柔らかそうな長い髪が肩からサラリと滑り落ちる。



「すみま…せん」
「はい」ホントにね。


「ふふ…」
おいおい笑ってごまかそう作戦か


「あの、離してもらってもいいですか、
腕痛いんで…」









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