甘い恋は復讐の後で
 だから今後ずっと来ないとしても私は待っていられないし、何より心が折れて二度とBar Crazyにさえ行けないだろう。

 普段はいくらでも待てる。
 けれど今は伶央さんが来ないビリヤード場で待っていられるほど心は強くない。

 まずはハス様に相談してみようと思い立ってサイトを開いた。

 本当は【お見舞いに来てくれましたか?】
 って聞きたいけれど、夢だった時の恥ずかしさを考えると聞くのが怖くて聞けなかった。

 だから伶央さんのことを相談した。

【ある人にひどいことを言って怒らせてしまいました。
 その人は今でも怒っていて会えないかもしれないんです。】

 しばらくしてメッセージが届いた。

【大丈夫だよ。
 向こうもきっと謝りたいって思ってる。】

 ハス様に言われると安心できるから不思議だ。
 そして本当に伶央さんはビリヤード場に来て「前は……悪かったな」とまで言ってくれた。

「いえ、私こそハスラーの意味もよく知らないで………。」

「まぁ。もういいさ。」

「……はい。」

 バツが悪そうな伶央さんに何故か私の方が微笑んでしまった。


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