甘い恋は復讐の後で
 シャワー浴びると多少は気分もいい。
 今日は寝るのを諦めようと腹積もりをしてソファに腰を下ろす。

 するとインターフォンが鳴って居留守を決め込むつもりだった。
 それなのにどうにも執拗に鳴らされるインターフォンに辟易してため息を吐いた。

 カメラを確認する為に体に鞭打ってソファから立ち上がった。
 そして画面に映っている姿を確認して愕然とした。

「なんでお前が俺ん家を知ってんだよ。」

 開けてやる義理もない。
 それなのに文句を言いつつも玄関のドアを開けていた。

 潤んだ瞳が俺を見上げて胸が疼く。

「私、嵐が苦手なんです。」

 嘘ばっかりだ。
 俺に合わせようと………。

 いや、ハスが俺とは知らないのか。
 こいつは。

 思い直していると莉緒は手をこちらに伸ばした。

 何かと思えば見せつけるように手を前に出す。
 その手は小刻みに震えていた。

「入れよ。ちょうど退屈してた。」

 どんな理由だよ。と、自分に苦笑してリビングまで歩いた。


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