甘い恋は復讐の後で
身振りでソファに座るように勧めると莉緒はちょこんと角のソファに座った。
自分も莉緒から一番離れたソファに腰を下ろす。
莉緒はおもむろに自分のことを話し始めた。
「子どもの頃、兄は死にそうになりました。」
よりによって兄貴の話……。
莉緒の話を苦々しい気持ちで聞いた。
莉緒は俺の気持ちに気づくはずもなく淡々と話し続けた。
「今の方がひどいけど、子どもの頃も私に甘い兄で。
お気に入りの帽子を外に忘れた私に兄が取ってきてくれるって。」
一呼吸置くと、また話し始めた。
話すのがつらい内容なのだろう。
両手を握り締め、下を向いたまま淡々と話す姿は見ているこっちも切なくなるような、色んな気持ちが綯交ぜになってそれを見ないように目を閉じた。
「外は嵐だったけどそんなこと気にしてなかった。
甘やかされていて、なんなら兄が取りに行くことは当然だって思うような勘違いな子どもだったんです。」
そんなことは知っている。
アイツが妹を溺愛していることも、その妹が莉緒だということも。
そしてたまたま……バニーだっただけだ。
自分も莉緒から一番離れたソファに腰を下ろす。
莉緒はおもむろに自分のことを話し始めた。
「子どもの頃、兄は死にそうになりました。」
よりによって兄貴の話……。
莉緒の話を苦々しい気持ちで聞いた。
莉緒は俺の気持ちに気づくはずもなく淡々と話し続けた。
「今の方がひどいけど、子どもの頃も私に甘い兄で。
お気に入りの帽子を外に忘れた私に兄が取ってきてくれるって。」
一呼吸置くと、また話し始めた。
話すのがつらい内容なのだろう。
両手を握り締め、下を向いたまま淡々と話す姿は見ているこっちも切なくなるような、色んな気持ちが綯交ぜになってそれを見ないように目を閉じた。
「外は嵐だったけどそんなこと気にしてなかった。
甘やかされていて、なんなら兄が取りに行くことは当然だって思うような勘違いな子どもだったんです。」
そんなことは知っている。
アイツが妹を溺愛していることも、その妹が莉緒だということも。
そしてたまたま……バニーだっただけだ。