甘い恋は復讐の後で
　角切りの、赤や薄い黄色のリンゴが浮かぶ可愛いドリンク。

　口に含むと温かくて爽やかな味。
　そして少しすると体の芯がポカポカと温かくなった。

「おいしい……。」

「それは良かった。」

　穏やかな雰囲気はとても居心地がよくて怖い思いをしたなんて忘れてしまいそうだ。

「伶央くん。どうしてもお嬢さんくらいの歳の子が絡まれていると気になってしまうようでしてね。」

「……そう、なんですか。」

　離れたところで作業をしている伶央くんと呼ばれた男の人に目を移した。

　長身なのはさっき後ろをついて歩いた時に感じた。
　多分１８０以上はあるだろう。

　スラッとした、スタイルのいい体型にバーテンダーの服装がこれでもかというほどに似合っている。

　黒髪は耳にかかるかかからないかくらいの長さで、整った顔立ち。
　ただ、鋭過ぎる眼光がとにかく威圧感を放っていて……。








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