甘い恋は復讐の後で
「おい。終わったのか?
 服を買いに行くぞ。
 急がないと店が閉まる。」

 伶央さんがいたことを思い出して慌てて駆け寄った。

「すみません。ご迷惑をお掛けして。
 あの、アパートって今から見に行って借りれないですよね?」

「………は?」

 不動産会社はこの時間、開いてないのかな。

 しばしの間があって大笑いされた。

「ハハハッ。
 そういう発想になるとは意外だな。
 俺ん家に来いよ。
 リビングになら泊めてやれる。」

「え………。」

「下僕だろ?
 ちょうどいい。
 掃除しろよって思ってたんだ。」

 いや、それはそうだけど。

「でも、そんな、甘えるわけには……。」

「バーカ。甘えられるなんて思うなよ?」

 意地悪い笑みを向けられて頭をグリグリと撫でられた。
 掃除洗濯、料理……家事ロボット並みの仕事を命令される光景が浮かんでゴクリと喉が鳴った。

「精一杯、働かせて頂きます。」

 頭を下げるとクククッと笑われて「分かればよろしい」と告げられた。


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