甘い恋は復讐の後で
「ごめ、んなさい。」

「何を謝ることがあるんだよ。」

 絞り出すような伶央さんの声は私の胸を苦しくさせた。

「だってそれは私とお兄ちゃんのことですよね?」

 伶央さんは何も言わない。

 私は過保護の兄にうんざりしていた。
 自分は散々遊んでいるくせに妹の私には厳しくて。

「でも……。伶央さんは……。
 相談に乗ってくれた…私が高校の頃はまだ誰かも知らずに親身になって相談に乗ってくれましたよね?」

 だってお兄ちゃんの話をしたのはそれからずっと後だ。



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