甘い恋は復讐の後で
19.悪い男
「お兄ちゃんに「悪い男は伶央くんじゃないか」って言われた時に「そうだよ。よく分かったね」って言えば良かったな。」
不貞腐れて、シェイカーを振る伶央さんから目逸らした。
カッコよくて見惚れてたなんて知られたくない。
シェイカーを握る長くて綺麗な指先。
かと言って華奢なわけじゃない。
骨張った手は男らしさを存分に醸し出していた。
そして真剣な顔つきは見る者を魅了して、さっきからチラチラ見られている周りの視線を感じる。
「悪い男って分かってて引っかかったのはそっちだろ?
ほら。飲めよ。」
私の前には三角の可愛いカクテルグラスに綺麗なオレンジ色。
思えば伶央さんにカクテルを作ってもらうのは初めてだった。
「これは、これは。
シンデレラですね。」
ホクホク顔のマスターが教えてくれた。
マスターへ冷めた目を向けた伶央さんが余計なことを言うなという威圧感を与えるとマスターは肩を竦めて退散した。
「シンデレラって………。」
もしかして私のこと?
さすがにそれは恐れ多くて声に出せなかった。
戸惑う私を見て、フッと笑った伶央さんが声を落として甘く囁いた。
「魔法にかかってみる?」
目を見開いて伶央さんを見つめると驚くよりも早く唇が触れた。
微かに触れる程度だったけど、人が……だって見られたら………。
不貞腐れて、シェイカーを振る伶央さんから目逸らした。
カッコよくて見惚れてたなんて知られたくない。
シェイカーを握る長くて綺麗な指先。
かと言って華奢なわけじゃない。
骨張った手は男らしさを存分に醸し出していた。
そして真剣な顔つきは見る者を魅了して、さっきからチラチラ見られている周りの視線を感じる。
「悪い男って分かってて引っかかったのはそっちだろ?
ほら。飲めよ。」
私の前には三角の可愛いカクテルグラスに綺麗なオレンジ色。
思えば伶央さんにカクテルを作ってもらうのは初めてだった。
「これは、これは。
シンデレラですね。」
ホクホク顔のマスターが教えてくれた。
マスターへ冷めた目を向けた伶央さんが余計なことを言うなという威圧感を与えるとマスターは肩を竦めて退散した。
「シンデレラって………。」
もしかして私のこと?
さすがにそれは恐れ多くて声に出せなかった。
戸惑う私を見て、フッと笑った伶央さんが声を落として甘く囁いた。
「魔法にかかってみる?」
目を見開いて伶央さんを見つめると驚くよりも早く唇が触れた。
微かに触れる程度だったけど、人が……だって見られたら………。