甘い恋は復讐の後で
「午前0時の鐘が鳴る前に帰らなきゃね。
 後は俺が振るよ。」

 振る……。振ると言ったらシェイカー?

「え、哲哉さんが?」

 私の驚きはマスターが引き受けて返事をしてくれた。

「前から興味があったそうです。
 どうやら彼は伶央くんに憧れているみたいですよ?」

 最後の一文は私だけに聞こえるように耳打ちされて驚いてマスターの顔をまじまじと見つめた。
 意味ありげに頷いたマスターの顔が遠ざかる。

 いつの間にか私のすぐ近くにいた伶央さんが怪訝そうな顔をして私の体に腕を回していた。

「帰るぞ。」

「え、あ、はい。」


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