甘い恋は復讐の後で
 俺は、その程度。

 伶央さんの言葉を何度も反芻した。
 携帯は相談サイトを開いて途中まで書き込んでいた。

【大切な人を傷つけてしまったみたいです】

 それを送れないまま。

 相談サイトを閉じると思い立って伶央さんの部屋まで向かう。
 伶央さんのマンションは1LDK。

 寝室にしている部屋だけ私は入ることはない。
 ううん。入ったことあるか、一度だけ。

 ドアの前に立つと深呼吸をして決意するとノックした。
 返事はない。

「あの。伶央さん?」

 返事はなくて、それでも続けた。

「私にとってハス様も伶央さんも大切な人で、その2人が同一人物だったことはすごく……私は嬉しかったです。
 それと、、伶央さんがその程度のわけないです。
 伶央さんは……。」

 ドアが僅かに開いて、ドアにもたれかかるように長身を持て余して立つ伶央さんが私を見下ろした。

「俺は、何?
 続きは俺の顔を見て言える?」

 顔を上げ、伶央さんを見つめる。
 気持ちがこみ上げて思わず下を向きそうになると顎をつかまれた。

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