甘い恋は復讐の後で
「俺に言いにくいこともあるかもしれないけど、直接よりはメールの方が言いやすいだろ?
 だから、、そんなに落ち込むなよ。
 莉緒がそんなだと俺も凹む。」

 眉尻を下げて寂しそうな顔をした伶央さんに抱きついた。
 携帯は放り投げられて、ソファの隅に落ちた。

「大好きです。
 離れたくないってさっきすごく思って。
 お風呂に行ってちゃって寂しかったです。
 だから、その。」

 伶央さんはハハッと軽い笑いを吐いた。

「…………笑うなんてひどいです。」

「いや。悪い。あまりにも可愛くて。」

 伶央さんは抱きついている体を少しだけ緩めて顔を覗き込むと唇にそっと唇を重ねた。
 そして「離れなきゃいい」と甘く囁いた後に、続けて言われた言葉は色んな意味が含まれていそうな妖艶さを感じてドクンと胸が騒がしくなった。

「俺も離すつもりはないよ。」

 再び重ねた唇は次第に甘く濡れて、無意識に伶央さんの髪の毛をつかんだ。

 吐息が漏れて欲情に濡れた瞳が向けられる。

「もっと……キス。」

 掠れた低い声にキューッと胸が痛くなって応えるように唇を重ねた。
 お互いに貪るように重ねて、キスとともに次第に与えられる伶央さんからの甘い刺激に声を漏らした。

「莉緒……可愛いよ。」

 甘い甘い時間は夜が更けるとともにより甘く肌を重ね合わせた。


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