甘い恋は復讐の後で
「何、伶央の知り合い？」

　どこからか出てきた人に言われて「知り合いじゃねぇ」と冷たい言葉を吐かれた。

「そっ。なら、俺と遊ぼうよ。
　君、可愛いね。名前は………。」

「ったく。これ被ってろ。」

　目深に被っていたキャスケットを脱いで私の頭に乗せた。
　そしてギュッと上から押さえつけられた。

　本人は帽子でついたクセを直すように髪をクシャクシャッとかいた。
　柔らかそうな髪がクセ付いて昨日とはまた違った雰囲気を醸し出している。

　そして気怠そうに「ん」と顎をシャックってこっちと指し示された。

　付いていっていいのか、伶央さんの知り合いらしき男の人の方に不安な眼差しを向けると苦笑されてそれから耳打ちされた。

「伶央って天邪鬼だからさ。
　君のこと俺には渡したくなかったみたいだね。」

　ウィンクされて背中を押された。
　押された勢いそのままにトトトッと伶央さんの後に続いた。








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