甘い恋は復讐の後で
6.好きになってはいけない人
 深夜、目が覚めて忘れていたサイトのメッセージを確認した。
 日課になっているメッセージの確認作業。

 しかし今回ばかりは、こんな時間に確認したことを後悔した。

【私……恋をしたかもしれません。
 けれどその人は悪い男かもしれなくて。】

 これは……俺のこと、なのか?

 寝ぼけ眼は一瞬にして目が冴えて思わずベランダに飛び出した。
 熱くなる体を気候が暑いせいなのか、なんなのかを分からなくしたかった。

 だから胸の鼓動は見ないように暑さに身を任せた。

 熱帯夜の夜はじっとりと体に汗を這わせ、不快な感覚が体を支配する。

 お陰で馬鹿な考えは払拭できて冷房のかかっている部屋に戻った。
 ガンガンに冷房をかけ、汗がひいたところでメッセージを書き込んだ。

 身の毛もよだつ内容を読み直したくなくて投稿ボタンを押した。

 ハスとしてのメッセージだ。
 俺からじゃない。

 そう心の中で呟いて冷蔵庫からグレープフルーツジュースを取り出した。
 さっぱりした酸味と甘さが渇いた体に心地いい。

「もう寝よう。」

 声に出して自分の行動を確認すると、まずは汗臭くなった体をどうにかすべく風呂場へと向かった。











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