甘い恋は復讐の後で
「ハス様がその男の人かどうかはまだ確証が持てないね。
 たまたま相談サイトからメッセージが届いた時が同じだっただけかも。」

「……うん。そうかもしれない。」

 伶央さんはハス様じゃないかもしれない。
 それでも…………。

「彼がハス様かどうかは今はあんまり関係ないの。
 彼がどんな人かまだよく分からないのに、変なんだけどね。」

 自分でもまだハッキリしない気持ちを両手に力を込めて報告した。

「こんな気持ち……初めてなの。」

「莉緒………。」

 口に出すと涙がこぼれそうになって努めて明るく言った。

「……湿っぽくなっちゃうからこの話はおしまい!
 お母さんがさ。
 引越しのお祝いに大量に私が好きなゼリーを送ってくれてね。
 食べない?」

 返事を聞く前に冷蔵庫の方へと向かう。
 花奈はともかく、大谷くんに涙を見せるのはなんだか恥ずかしかった。








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