甘い恋は復讐の後で
「あぁ。ありがとう。」

 ロビーの会議室に落ち着いたメンバーにコーヒーが出された。

 打ち合わせの相手はジェニアル社側に伶央さんと、その上司らしき人の二人。

 プレビアス社側は担当者である私の上司の山本さんと私。
 そしてコーヒーを出してくれた谷森さんは一瞬だけ顔を出して去って行ってしまった。

「今日は事務の松永も同席させて頂きます。
 資料作りなんかは全て彼女に任せてて頼りにしているんです。」

「そうなんですね。
 いつも見やすい資料は彼女が……。
 これからもよろしくお願いしますね。」

 丁寧に挨拶をしてくれた上司の方と伶央さん……らしき人と名刺交換をした。
 今日の為に特別に作ってもらった名刺を私もお二人に渡す。

 名刺を確認して小さく感動した。

 黒田……伶央さんなんだ。

 やっぱり彼は伶央さんだった。

 打ち合わせは山本さんが進めて私は議事録をパソコンに打ち込んだ。
 その合間に伶央さんを盗み見る。

 スーツ姿は素敵だし、真剣に話し合っている姿は仕事を着実に勧めていく大人な男性という雰囲気を醸し出していた。

 実際、ジェニアル社はシステムキッチン総合メーカーの中でも最大手でそのジェニアル社の社員ともなれば優秀も優秀……。







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