甘い恋は復讐の後で
8.デートと罠
　昨日、食事に来なかった花奈に文句を言う。

「どうして来なかったの？
　花奈がいないから大谷くんが変な気を遣って。」

「変な気を遣うって何よ。」

「変な雰囲気というか……。」

　なんて言っていいのか………。
　ごにょごにょ口ごもっていると花奈が突っ込んだ。

「もしかして言ったの？」

「言ったのって………。
　花奈！知ってたの！？」

　憤慨した気持ちをぶつけると花奈は悪びれることなく笑っている。

「で、ハス様と好きになりかけている人は？
　上手くいきそうなの？」

　大谷くんの話をしているのにハス様と伶央さんの話をされて思わず肩を竦めて頭を振った。

「花奈はどっちの味方なの？」

　大谷くんの気持ちを真正面から受け取るとしたら、伶央さんと上手くいったらまずいわけで。
　大谷くんに加担した花奈も同じ気持ちなのかと………。

「私は莉緒の味方。」

　いたずらっぽく笑った花奈に「もう」と文句を言いつつ抱きついた。

　大谷くんと二人きりにさせたのはやり過ぎだけど、心配してくれているのは痛いほど分かって心が温かくなった。






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