甘い恋は復讐の後で
「ねぇ。もう一度、彼の前でメッセージを送ったら？」

「彼って……伶央さん？」

「伶央さんって言うんだ。
　なんだか強そうな名前ね。
『りお』と『れお』なんてなんだか似てるし。」

　花奈に指摘されたそんななんでもないことでさえ胸が踊った。
　しかも二人とも『ら行』だ。なんて小さな共通点をまた見つけて喜ぶ。

「で、何をしてみれば？って？」

「だから伶央さんが携帯を持っている時でもテーブルに置いている時でもいいから、前と同じ状況を作るの。」

「前と……同じ状況。」

「そう。それで前と同じように莉緒がメッセージを送った直後に伶央さんが受信していたら同一人物確定ってことで。」

　それなら出来るかもしれない。
　本人に聞くなんてハードルが高い。
　試すようなやり方は後ろめたいけれど………。

　そこまで思って失笑を漏らす。

　彼の前に姿を見せないことを決意したばかりなのに。

　やっぱり頭が働いていない。
　ダメだなぁ。なんだか元気が足りないや。










< 60 / 180 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop