甘い恋は復讐の後で
 今日もメッセージの確認をした。

 毎日、毎日、飽きもせずにご苦労なことだ。
 そんな感想を浮かべた結末が小指強打になるわけで。

 画面に表示されるメッセージをもう一度見たところで変わらない文字が踊る。

【彼は悪い男なのに、彼に触れたくなります。
 それはおかしなことですか?】

 力なく椅子に座り直してうなだれた。

 誰に何を相談してるのか。コイツは。

 そのうちヤリたくなったらどうしたら……とか聞かないだろうな!本人だぞ!!

 知らないからいいのか、知らないからこそ罪なのか。
 これに本人がどう返せって?

 ため息を吐いて「ハスからの返信だろ?分かってる」と声に出してからメッセージを入力した。

【男はみんなケダモノです。
 触れるな危険。
 男はみんなオオカミなんだよ?
 キミはウサギちゃんだってことをお忘れなく。】

 まぁこんなもんだろうと投稿ボタンを押した。

 間違ってるよな。
 俺はあいつをどうしたいのか。

 いや、今は優しくする月間だ。
 その後に、信頼した後に落として……。

 開きっぱなしだったサイトはメッセージを受信したことを告げ、自動でメッセージが開いた。

【彼がケダモノだなんて到底思えないです。
 例外だってありますよね?
 悪い男かもしれないけど紳士です。】

 ちょっと待て。
 誰の話をしてるんだ。誰の!

 到底自分には似合わないコメントに頭の中で回線がショートした音が聞こえた気がした。



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