甘い恋は復讐の後で
 これは……夢?

 ハス様からメッセージは届かない。
 私から送らなければメッセージは届かない。

 それは一方的な私の憧れで優しいハス様が相手をしてくれているだけの関係だとまざまざと思い知らされる事実。

 それなのに今、ハス様が目の前にいる。

 インターフォンが鳴って目が覚めた。
 ハスだと名乗ったその人を招き入れた。

 熱で朦朧としてるからって。
 自分の軽率な行動に自嘲する。

「おっと大丈夫か?」

 しかも声は伶央さんって都合が良過ぎる。

 熱で朦朧として視界は不鮮明で背の高そうな"ハス"を名乗るその人の全貌を確認することも出来ない。

 そっか。夢…だもんね。

 夢ならいいや。
 甘えちゃえばいいんだ。

「水……。」

「え?」

「水を………飲みたいです。」

「水か。待ってろ。」

 支えられながらベッドまで歩くと横になった。

 ぼんやりとした視界の中で彼がコップを手にして立った。





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