愛を私の音色に乗せて。



お風呂から上がったちぃ君は、何倍も大人っぽくてかっこよくて、目のやり場に困り続けた…

「そういえば、これなんて曲?」

「あっこれね、『Leaf』っていうグループの『恋わずらい』って曲。

このグループ凄いんだよ!
ボーカル2人の歌声は鳥肌が止まらないし、
ダンサー3人は世界レベルの実力。」

「へぇ、そんなにすごいの?」

「うん!もう私の憧れの存在だよ〜」

いつか歌手になれたら、Leafの方達に私の曲を聞いてもらうっていうのも小さな夢。

「そういや昔さ、紫音が作った曲あったよね?
数行の歌詞だったけど、俺の誕生日に聞かせてくれたの覚えてるなぁ」

「…よく覚えてたね。」

「そりゃ勿論。
“私の王子様は君だけ 君のお姫様も私だけが良い”
なんて嬉しい言葉、忘れるわけないじゃん?」

「あれは、」

昔の純粋な心が恥ずかしすぎる…

「俺のお姫様はずっと紫音だけだよ」


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