愛を私の音色に乗せて。




朝、学校に着くと沢山の視線を感じる。

いやいや、私のこと見てる人なんているわけはなく、隣にいるお方に目がいってるわけで…

「え、なんであの子千翼君と学校に来てるの?」

「なんか昨日抱きしめようとしてたらしいよ」


やっぱり一緒に来るのはまずかった。ちぃ君、やっぱり人気者みたいだし、視線が全身に刺さっていたい…

「ちっひろ〜!!おっはよー!」

後ろからちぃ君に飛びついて来た元気な男の子

「ったく、もうちょっと声抑え…」
「あれ!?もしかして君が千翼の幼なじみの…えっと…あ、紫音ちゃん??」

…なんでしってるの?

「千翼から紫音ちゃんの事はいっぱい聞いてるからすぐ分かっちゃった〜

「おい余計なことばっか言うな口縫うぞ」

「うわ怖ぇ!そんなマジトーンで言うなって…」

「あの、お話中申し訳ないですが…」

「あぁ、ごめんね!俺は村井亮(ムライリョウ)!
千翼とは中学の時からの親友なんだ〜」

「親友なんだ俺たち」

「ねぇ千翼君酷くない?」

泣き真似をする亮さんとちぃ君の会話が面白くて顔が綻ぶ。

「ねえ紫音ちゃん、ひとつお願いしてもいい?」

「おい、変なこと吹き込むなよ」

「大丈夫だって!」

グッと顔を覗き込まれ、

「1回眼鏡外してみて?」

なんて言われたんですけど…

「良いですけど…」

言われたと通り眼鏡を外す。

「あぁ…なるほど。こりゃ虜になるわ…」

なにやらブツブツ言いながら納得している亮さん。

「はい、もう良いだろ。紫音行こ?」

と、私に眼鏡をかけさせ歩き出した。

「紫音ちゃんまたね!」

「あ、はい…!」


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