愛を私の音色に乗せて。


俺はというとプロポーズ…?告白…?を受けてくれたことが嬉しくて、自分でも気持ち悪いくらい、紫音にベタベタしていた

「…重いんだけどちぃ君、」

「何?聞こえないんだけど」

「聞こえてるでしょ!」

なんかいつも以上に紫音が可愛く見えてくる。

「本当可愛いよな」

「…ちぃ君はいつもいつも可愛い可愛い言いすぎなの。
私の感覚までおかしくなっちゃうじゃん、」

などとぷりぷり怒ってる紫音。
そんなことより、気になることが。

「紫音さ、俺のことなんて呼んでる?」

「え?ちぃ君だけど…?」

「だよな?
でもさ、俺は紫音(しお)って呼び捨てなのに、どうして紫音は君付けなの?」

「どうしてって、小さい頃からずっとそう呼んでたから…?」

だと思った…

「千翼って呼んでみてよ」

「やだ。」

「何でだよ!返事早すぎじゃん!?」

即答すぎて、ショックとか逆にないんだけど…

「何で嫌なの…」

彼氏としては呼んで欲しいなぁとか、ちょっとは思うじゃん?

「だって、ちぃ君はちぃ君なんだもん。
それ以外に理由とかはないんだけど…」

「理由無いならいいだろ?1回だけでいいからさ、な?」

「えぇ〜…またいつかね!」

お風呂ためないとだね!俺の腕の中から抜け出した

「あ、忘れ物っ」

「忘れ物…っ!?びっくりした、何どうしたの?」

さっきまでいた位置に戻ってきて、今度は紫音の方から抱きついてきた

「改めて、誕生日おめでとう!
また来年も再来年ずっと、ちぃ君の誕生日お祝いさせてねっ。
生まれてきてくれてありがとう、

これからもずっと大好きだよ、千翼。」

「…、」

チュッと音のなるキスを頬に落としてお風呂場に行ってしまった…


…なになに今の!?え、何どこでそんな技覚えてきたの紫音!?
サラッと「千翼」って呼んでさらにキスして行くとか、歌手になったらそんなテクニックまで身につくの…?

…無理だ。本当に紫音に俺の全てを握られてしまっている。
次「千翼」って呼ばれたら俺の心臓と理性と愛しい感情が崩壊するであろう。

…しばらくは「ちぃ君」でいいかもしれない。


千翼side終


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