愛を私の音色に乗せて。


「なっ…!うわぁ可愛い、」


目の前にはキラキラしたネックレスがある。小さなキューブ状の枠組みのなかに青いガラスが入っていて、普段あまりアクセサリーをつけない私が珍しく見入ってしまった。

「それ気になるの?」

「キラキラしててかわいいなぁって。でも私にはちょっと大人っぽ過ぎるなぁ」

私にはまだ早いというのは本音だけど、ここであまり興味を見せすぎるとちぃ君が買ってあげると言いかねないので、早々に店を後にした。

だって!今日はあまりにも買ってもらいすぎてる。確実に。
服に靴に、欲しかったCDにと、とにかくたくさん。

「じゃあそろそろ帰るか~」

「そうだねっ」

まだ4時だけど、明日も朝から仕事が入ってるため、早めに帰って夜ご飯を作ることにしている。
外食も楽しいけど、一緒に作る時間も心地よくて好きな時間。

「俺トイレ行ってくるからちょっとまってて」

「はーい」

1人でぶらぶらしていると、甘〜いにおいのするお店に引き寄せられていく。
フルーツティー専門店。テイクアウトもできて、寒い冬にはとてもよさよう。

「柑橘フレーバーある、」

オレンジにグレープフルーツ、温州みかんに、レモンと柚子まである…!
これは買うしかないっ。帰り道は寒いし丁度いい。

レモンティーと柚子茶を買いお店を出た。
ん〜、いい香り!幸せな気分になってると、

「こんなとこにいたの?探したんだけど、」

「あ、ちぃ君!ごめんね、これ見つけちゃって…はい、これどうぞ」

「紅茶?あ、レモンティー!」

やはり、レモンの事となるとテンションが上がるみたい。

「いい香りでしょ?外寒いから、これ飲みながら帰ろっかなぁって」

「そうだな。ありがとう!」

私たちは寒くて温かい帰り道を歩いた


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