愛を私の音色に乗せて。
「それはこうして…ほら!」
「おぉ、すげえ。やっぱ紫音は上手いな…」
今、ハンバーグを作っています。
今日の夜ご飯は2人の食べたいものをとにかくたくさん作る。ちぃ君も料理はできるから、2人でやればあっという間に出来上がった。
「美味しかった!」
「うん美味かった」
「ちぃ君なんか飲…え?」
「はい、じっとしててね」
いつのまにか私の後ろに回っていて、私はなぜかタオルで目隠しをされている。
「な、何?!」
「はい、ごめんね?もうとっていいよ」
タオルを外しても視界はまだ暗くて、なかなか焦点が合わない。だんだん目が慣れて、見えたのは、
「紫音、誕生日おめでとう!あと、メリークリスマス」
ロウソクの立った小さなケーキとちぃ君の笑顔だった。
「わぁ…ありがとう!」
家で祝ってもらう誕生日なんていつぶりだろう…?それだけで、とっても幸せな気分になった。
「あとこれ、どうぞ」
「えっ、今日私あんなにも買ってもらったじゃん!あれが誕生日プレゼントじゃなかったの…?」
「あれはあれ、これはこれだもん。俺の気持ちだから、貰ってよ?」
「…ありがとうっ。開けていい?」
「もちろん」
中に入っていたのは音楽プレーヤー。しかも最新のものが入ったいた。
「へっ…こんなに良いの、貰っていいの?」
「紫音音楽聴くとき携帯じゃん?だから持ってないかなあって思ったんだけど…良かった?」
「うん!すっごい嬉しい…!ありがとうね…」
当たり前なのかもしれないけど、私のことを考えて選んでくれたと思うと頬が緩んでしまう。
「それから、はい。こっちはクリスマスプレゼント」
「え!?私貰いすぎだって!」
「そんなことないよ。世の中のカップルのほとんどは誕生日とクリスマス両方にプレゼントするじゃん。それが同じ日なだけだから、ね?」
もらいすぎな気がするが、言われてみればそうなのかもと少し納得してしまった。
「本当にありがとうね…」
「どういたしまして」
紙袋の中を覗くと…
「これ、いつ買ったの…?」
「ん?魔法。」
「なにそれ!?」
今日、私が見とれていたあの綺麗なネックレスが箱の中に収められていた。
「全然気づかなかったよ、えぇすっごい可愛い…」
「よかった。」
そっと私の首にそれをつけてくれた。胸元でキラキラと輝いていて生きてるみたい。
「うん、やっぱり似合うじゃん」
「…ありがとうちぃ君!今日が今までの誕生日で1番幸せだよ…大好きっ」
「うん、知ってるよ?俺も大好きだよ」
こんなに幸せな毎日が続いていいのかなって思うくらい、とっても幸せ。