愛を私の音色に乗せて。
千翼side
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はぁ…疲れた…






テストはそれほど難しくなくて安心したけど、とにかく神経を使った










「ただいま〜」






紫音は…



まだ帰ってないか…





最近、紫音の仕事がより一層忙しくなって、俺も勉強ばっかりで一緒にいる時間がほとんどなかった






おかげで俺は、重度の紫音不足に陥っています。








「はぁ…そろそろ限界なんだけど。」






誰もいないリビングでそう呟く。





最低でも1日1回は紫音を充電しないと持たないのに、ここ最近はほとんどできてない







早く紫音が帰ってきてくれないと俺死にそうなんだけど…











あぁ…会いたいな…。







もう5時なのに、紫音からは連絡もない



そういや今日は電車だとか言ってたなぁ






よし、迎えに行くか!






駅に行けば少しでも早く会えるだろうし






携帯と財布だけを持って駅に向かう









ブー、ブー





「ん?あ、紫音からか」




駅に着くとすぐに紫音から連絡が来た






『5時半ごろ家に着きます!』





って事は、駅に着くのはもうすぐだな







良いタイミングで着いたわ。




















数分後ーーーーーーーーーーーー






「あ、紫音だ…」





いつもとは違うメイクをした紫音が改札から出てきた





…なんか、また最近可愛さ増したよな?




これだけ人がいる中でも一際目立っている。なんでこんな可愛いかな…?





小さくて柔らかくて可愛い彼女を今すぐにでも腕の中に閉じ込めたい…






いつもならまだ歯止めが効くけど、




紫音不足の今はそんなストッパー、とっくに外れてるわけで…








人混みの嫌いな紫音は、人通りの少ない道を選んで歩き出す






…ったく…、危ないだろうが。







後ろから追いかけ、愛しい背中に呼びかける






「紫音…!」





「…え!? ちぃ君?!」





こんなとこにいるとは思わないかったのか、かなりびっくりしてる






そんな紫音の腕を引き、自分の腕の中に閉じ込めた






「おかえり」





「…ただいま…。なんでこんなとこにいるの?」







そりゃ…







「早く会いたかったから」






に決まってるだろ?






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