愛を私の音色に乗せて。










「なぁ紫音、人ってあんなに変われるものなの…?」





「私も思った…」






ちぃ君も庄司さんの変わりように驚いている








人は、なりたいと思えば何にでもなれる。


そう思った。










「はーい、お待たせしました!」





「「ありがとうございます」」




ひさびさに食べる庄司さんの料理は本当に美味しい!




朝ごはんを食べてなかったからお腹が空いていて、ペロリと平らげてしまった




私はゆっくり飲み物を飲んでるんだけど、



隣では…




「それすげえ良いですよね!」



「だよね〜!僕もこれすごい好き!

なんか惹きつけられるんだよなぁ」




ちぃ君と庄司さんが何やら盛り上がっている



2人がこうして仲良く話してるのを見るのって初めてだから、なんだか微笑ましいっ。



これをみてるだけで1曲できような気がする笑




それにしても、なんの話だろ〜?






「ねぇ、なんの話してるの??」





「あ、今ね千翼君と共通の好きなものが見つかって盛り上がってるんだ〜」




好きなもの??





「何ですか??」




「紫音も知ってるよ」




「そうなの?」




私も知ってるもので、ちぃ君と庄司さんが好きなものって…??





「これこれ!シオちゃんも知ってるでしょ?!


僕ね、『Shion』が大好きなんだ〜!


デビューのドラマ主題歌聞いた時に、ビビッときたんだよねっ」





「…っ!ケホッケホッ…っ」




「おいおい!大丈夫か紫音?」




「ケホッ…だ、大丈夫…」





思わず飲んでいた柚子かりんでむせてしまった…



今庄司さん、Shionって言った…?




「…庄司さん、…Shion、好きなんですか??」




「そう!めっちゃ好き!ファンでね、


今までのCDも全部買ってるんだ〜」




「そ、そうなんですね…」




私のCD、全部買ってくれてるんだ…


初めてファンって言われたかも、、嬉しいなぁ…




「それでさ、千翼君もファンだって言うからさ!なんか仲良くなっちゃった笑」



「そうそう。庄司さんとShionの話するの楽しいんだよ!」




ちぃ君がニヤッとしながらそう言う。




…絶対私の反応見て楽しんでる…。



私だってバレないようにしないといけないのに、わざとこの話したんだな…?





「シオちゃんもShion知ってるよね??」




「はい…テレビで聞くくらいですけど…」





ここは、あまり知らないふりをしておいたほうがいい。うん。




「たくさんいい曲あるから聞くべきだよ!


…あ、もうこんな時間か…!ごめんお二人さん、今から仕込みしないといけなくて…」




「あ、じゃあ私たちもこの辺で!

ご馳走様でした!」



「はい、ありがとうございました!


また来てね!」







私たちは店を出て、また寒い帰り道を歩いた











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