愛を私の音色に乗せて。
「えー、以上で3日間の撮影は以上です!お疲れ様でしたー!
次の撮影は明後日になるのでまたよろしくお願いしまーす!」
「終わったぁ……」
この撮影期間、台本叩き込んだり演技したり環境が違ったりしてすごく疲れた…
それに…何かちぃ君の電話が気になる。
初日の夜の電話はちょっと冷たかった。次の日は亮君に呼ばれたから切るって言われたし、昨日は繋がらなかった…
私、何か変なこと言っちゃったかな…?
気分が重いままの仕事は結構きつい。
でもね、こういう時に限って歌のアイデアが浮かんでくるんだよね…
昨日の夜だけで1曲出来ちゃった。切ない系だけど。
「麗美梨、帰るよー?」
「あ、はーい!」
帰りは大野さんと2人で新幹線で帰る事になった。ゆっくり寝れそうっ
「シオン、なんかあった?」
「えっ?」
周りに関係者が居なくなるとシオン呼びになる大野さん。呼びやすいんだって。笑
「今日、休憩の時とか待ち時間とか、凄い複雑な表情してたよ?
どうしたの?」
そ、そんな顔してたんだ私…
時間ができると、ちぃ君のこと考えちゃったんだよね…
「なんか…ちぃ君の態度が気になって…
気のせいかもしれないんですけど、」
「千翼君の態度?」
「はい…」
「あ、それもしかしたら俺のせいかも…」
ん?大野さんのせいって…?
「…どういう事ですか?」
「あ、いや…本人に直接聞いてみな?俺が思ってることと違ってたらいけないし。
気になるならそうした方がいいよ。」
「そうですよね…。聞いてみます」
帰ったら早速聞いてみよう。
私は未だに返事の来ない携帯を見つめながら眠りについた