愛を私の音色に乗せて。










「ただいまー」




数日ぶりの家。

ちぃ君は出かけているのか、とっても静か






「どこにいるんだろ…」


駅に着いた時に、今から帰るって連絡を入れたのに

やっぱり返ってこない…




事故…とか、遭ってないよね…?




ざわざわする気持ちを落ち付けようとソファに座る





新幹線の中では寝て起きたりを繰り返してたので、よく眠れなかった。


だから家に着いた途端に瞼が落ちてきた…






「ふぁ……ちょっとだけ寝よっかな…」




ソファに寝転がり、意識が遠のいていく














ガチャガチャーーーーーーーーーー






んーーー、夢の中?何かうるさいなぁ…






「紫音っ!」







…この声……って…







閉じたばかりの目を開けてみると…






「えっ、ちぃ君、?!」




呼吸を荒くしたちぃ君が目の前にいた





「ごめん、紫音、、迎えにいけなかった…


おかえり」






そう言いながらギュッと力強く抱きしめてくる







「…ただいま。ねえちぃ君……





私なんかしたかな…?」






「は?」




私はずっと気になってたことを聞いてみた



だけど、当の本人は全く意味のわからないっと言った顔でこっちをみてる






「ごめん紫音、どういう事?」






「この前…電話で、、何かいつもと違って素っ気なかったし……



何回連絡しても、返事、返ってこないし……



私何かしちゃったかな……?」






何も気づけない分からない自分が悔しくて、


目に溜まった涙が溢れでてしまいそう…






「えっ、ちょっと待って、泣かないで紫音、!?」




ちぃ君が頬を伝う涙を拭ってくれる

でも、止まらない。






「…本当ごめん紫音…

俺が悪かった…話、聞いてくれる?」




「え…?


うん…」










「最初の日の電話で大野さんに、山城唯斗って人が紫音を狙ってるって聞かされてさ…」



「え?!そんなわけ…」

「そんなわけあるんだって。

それで…ちょっとムカついてたから…そんな態度になった…ごめん…」





全然気づかなかった…




「で、次の日電話切っちゃったのは…


亮が家に来てて昼飯作ってたら、目離してたうちに焦げてて……それで…呼ばれて慌てて切っただけで…」




「…そうだったんだ…

でも、返事が返ってこなかったのは…?」











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