愛を私の音色に乗せて。
千翼side
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今日の紫音はなんか変だ…。





変というか、いつもと違う。








繁華街に遊びに来てるんだけど……







いつもは俺が手を出したら繋いでくる。



でも今日は紫音から腕を組んできてくれたんだよね。




…ちょっと胸当たってるし……









それに、すげえ引っ付いてきてる気がする。





いつも、外でベタベタするのは恥ずかしいと言って手を繋ぐくらいしかしてこなかった紫音がだよ?







いや、嫌とかじゃなくてむしろ嬉しいんだけど可愛いんだけど、






何か今日は、違うなーって……













「ねぇちぃ君、あそこ見てもいい?」








「ん、いいよ」










入った店は大きなアーティストショップ



CDとか雑誌とかグッズとか、いろんなアーティストに関係あるものが置いてある








「あ、あった!」





ずっと離さなかった俺の腕から離れ、

紫音が真っ先に向かったのは、

『Leaf』のコーナー









…俺、音楽に負けたのか…?







なかなか悔しいんだけど…。








選ぶのに夢中になってるから、多分今は話しかけても聞こえないだろうな。








俺はそっと離れてあるコーナーに向かった





それはもちろん『Shion』の。





今まで出されたシングルや、ミニアルバムなんかが全部揃っている。




いつも紫音がプレゼントしてくれるから、買った事ないんだよなぁ







流れている曲のCDを手に取る



…本当、綺麗な声。

大好きな、大切な人の声がこうやって全国に広がっているのが凄く不思議だ








「あ、ちぃ君いた!」






買い物を済ませた紫音が俺を探していたようだ




「欲しいもの買えた?」




「うん!!






…ねぇ、このコーナー、見られるのなんか恥ずかしい、から…行こうよ…?」











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