愛を私の音色に乗せて。
一曲歌いきると、凄い笑顔で拍手をしてくれるちぃ君が目に入った
「すげぇ…まさかあの歌歌ってくれるとかおもわなかったわ…
昔以上に鳥肌たった。初めてピアノ弾いてるとか見たけど、まじすげぇよ。」
「…そう?ありがとうっ」
褒められるのって、いくつになっても恥ずかしいけど、いくつになっても嬉しい。
「ねえ紫音、今めちゃくちゃ抱きしめたいんだけど良い?」
「…ほ?」
急に何言い出すかと思ったら抱きしめる?!何それ私の辞書に載ってないんだけど?!
「ごめん無理。抱きしめさせて」
「え、なっ?!ちょちょちょ…」
待って待って待ってくれ、キャパオーバー過ぎ。
…だけど。懐かしい、柑橘の香りが鼻をかすめていくと、急に落ち着いてしまう。
何だろう、凄く安心する。
「ごめんビックリした、?」
「うん、」
「俺、紫音の声聞くだけで幸せになれるのね。今も昔も。
歌なんか聞いたら死んでも生き返る気がする」
「大袈裟だよ〜」
「本当だって!ねえ、まだ歌聴きたい。だめ?」
そんな上目遣いで言われたら、
私キュン死するよ…
「いいよ!ちぃ君に聞いてもらえるなんて、私も幸せだし!じゃあ、次ギターでいい?」
「ありがとうな」