愛を私の音色に乗せて。


「しぃおはよっ」

私のことを“しぃ”と呼ぶのは、中遙(なかはるか)

唯一と言っても良い私の親友。

「はるちゃんおはよ!」

3年間、ずっとクラスは一緒。だから、よくあるクラス替えのドキドキは全くない…。

「ねぇ、今日こそ放課後遊ぼうよ?早く終わるじゃん!」

「ごめんね、今日もむり…」

これはもう恒例行事。

はるちゃんはもう断られるのをわかってて言ってるみたいなんだけどね、

「今日もか…一体いつも家で何してるわけ?」

高校生になって、遊びの誘いを受けれたことがいまだにない。

それを分かっていてはるちゃんは、

「ダメ元で誘い続けるから、気が向いたらOKして」

と、何とも心の広いお方…。

「しぃ体育館行こ〜」

私たちは体育館へ向かった


「それじゃあ今日はこれで終了!かいさーん」

担任の合図で、私は急いで帰る
急いで帰る理由…

それは"習い事"と"バイト"に行くため
私は幼い頃からクラシックバレエを習っている。

今日は学校が早く終わるため、ちびっこ達にレッスンをしに行く。

私の1週間はかなりハード?だと自分でも思う。

月曜 バイト
火曜 バレエ
水曜 バレエ
木曜 バイト
金曜 バレエ
土曜 バイトからのバレエ
日曜 バイト

…改めて見ると中々バカな日常を作ってるよね、

お母さんは、

「バレエのお金くらい私出すから!無理してバイトしなくて良いよ?」

って言ってくれるけど、今までたくさん払ってもらってきたし。
それに、家にいても一人だから寂しいじゃん?
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