愛を私の音色に乗せて。



「失礼しまーす…居ねぇじゃん。ここ座って?」

「…ありがとう」

消毒を用意して私の額に当ててくれる

「…ぃ、」

「ごめんすぐ終わるから…!」

ちゃっちゃっと消毒をして、冷えピタを貼ってくれる

「ちょっと腫れて来ちゃってたから…
本当にごめんね、それに眼鏡まで壊れちゃったみたいだし…」

「いいよ、今は痛くないし、

眼鏡はコンタクトもあるからそんなに心配しないで?ね?」

「ありがとう…。伊藤さんってさ、」

杉田くんが何かを言いかけたとき、
凄い勢いでドアが開いた

「紫音!?」

ちぃ君…?!

「なんでここに、」

「え?…千翼先輩?!」

「紫音、大丈夫…じゃ無いよな痛いよな。
…眼鏡は?」

「全然大丈夫!眼鏡はね…壊れちゃった、」

「壊れたって、杉田か?」

そう言って杉田君を睨みつける

「先輩本当、悪かったって思ってます…
顔怖いっす…!」

「ちぃ君、そんな怒んないで?大丈夫だって!」

ちぃ君は私を見ると、溜息をついて渋々頷いた。

それよりも…

「なんで保健室にいるの知ってたの?」

「ん?紫音の友達の遥って子が授業終わって言いに来た」

はるちゃんか、あとでお礼しないと。

「あともう一つ、2人は知り合いなの?」

杉田君はちぃ君のこと「先輩」って呼んでるし、ちぃ君は「杉田」って呼び捨てにしてるし。

「あ、あのね伊藤さん。
俺、中学のとき千翼先輩とバスケ部一緒だったんだ。」

あ、なるほどね…!

「バスケ部のくせにボールを人に当てるとか素人か…」

「すいません…」

しゅんとなる杉田君。

「紫音、帰ろ。荷物取ってくるから」

え、もうそんな時間なの?

「うん、ありがとう」


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