Bloody Kiss♡
「セコ‥、なにそれ!?」
「交換条件だよ。」
「なんでよ!!」
「助けて欲しいんだろ?それとも、このトカゲに燃やされちまうか?」
言いながら、セトは目を見開いたまま固まっている緑色の男に視線を遣った。
「え?ソイツ、トカゲなん?カエルかと思った!」
自分の勘違いに吹き出す余裕もなく、あたしはセトを急かした。
「てか、そんなこと どうでもいい!早く縄を解いてよ!!」
焦るあたしを嘲笑するように、彼は
「コイツは火トカゲ、サラマンドラだ。あと一分もしないうちに、コイツに掛けた術は消える。そうすれば動き出す。爪で引き裂かれて燃えるお前の姿を、オレはミストになって見学させて貰うとするか‥。」
と、意地悪く言った。
余裕な態度がムカついたけど、条件を飲む以外に道は無さそう。
「分かった!」
「ん?相変わらず口が悪いね、お嬢さんは。それが助けて貰うヤツの態度か?」
「分かりました!セト様!条件は飲ませて頂きます!」
セトは満足げに頷いて、指をパチンッと鳴らした。
瞬間、ゆらりと空気が揺れ、ホルスが姿を現した。