Bloody Kiss♡


「2、1‥」


セトが「0」を数えたのと同時、サラマンドラがピクリと動いた。


「おのれ~!裏切り者めが!」


術の解けたサラマンドラが叫んだ瞬間、ホルスは勢い良く口から風船を飛ばした。


サラマンドラの全身が防御の火炎を纏った。

どこだか分からない薄暗い室内に、熱気が充満していた。


炎に触れた風船は、溶けるどころか網状に変化すると、あっという間にトカゲ男を包み込んだ。

そして、見る見るうちに縮んで、床には噛んだあとの小さなガムの塊が落ちていた。


 
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