Bloody Kiss♡


「死んだの?」

あたしは、呟くように問い掛けた。


「言っただろ。魔物は死なないってな。一時的に消滅させただけだ。時期が来れば、また復活する。」

答えると彼は、あたしを見つめた。

正確には、あたしを縛り付けたロープを。


セトの瞳が金色に輝いた。

途端、ロープはスルリと解けた。


ホッと安堵の息を吐いて、不思議に感じていたことを思い出す。

あたしは、彼に訊ねた。


「ね、セト。あなたって霧になれるの?」

「“様”が抜けてるぜ。」


呆れたように指摘して、彼は

「バンパイアがミストに変身することは有名だけどな。てか、ロナは鈍感だな。オレ、毎晩 お前の横で添い寝してやってんだけど。」

って言った。


 
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