Bloody Kiss♡
車が屋敷の庭に着いた。
広い広いそのスペースには、駐車場らしき設備は無く、車は芝生の上で停車した。
運転席を降りたホルスは助手席のドアを開け、続けて後部シートのドアを開けた。
「ありがと‥。」
あたしは小さく礼を言って、芝生の上へと降り立った。
先に車を降りていたセトは、夜空を仰いでいる。
あたしも、なんとなく夜空を見上げてみた。
気味が悪いくらいに朱色に輝くハーフムーン。
空は晴れているのに、何故か星は ひとつも無かった。
「不気味‥。」
そう呟いた時、振り向いたセトは突然、あたしの頬にkissをした。