Bloody Kiss♡
そう、セトは吸血鬼‥
てことは、あたしも吸血鬼に?
「もしかして、あたしの血 舐めた?」
「ああ。だから?」
「嘘でしょ?あたし、吸血鬼になんかなりたくないっ!何してくれてんねんっ!!」
吸われてはいないけど、舐められた。
きっと、もう全身を吸血鬼菌が侵食しているはず。
「マジ有り得ん!サイアク!」
あたしはパニックになった。
「愚かだな。お前。」
「なんでよ!?」
「バンパイアに襲われた人間がバンパイアになる、なんてのは物語の中だけだ。大体、バンパイアは人間を襲わない。オレ達はジェントルマンなんだぜ。」
そう言うと、あたしの頭をポンポン叩いて
「時間が無い。行くぞ。」
シルクの黒いマントを華麗に翻し、セトは館へと向かった。