Bloody Kiss♡


あたしは、バーを強く握りしめ、真上を見つめていた。

外から見れば、レールに傾斜があることは分かるのに、コースターに乗っていると、まるで垂直に昇っているように感じる。


「怖い!」


てっぺんまで昇り詰めたら、次は真っ逆さまに落ちるような錯覚が待っている。

その感覚を楽しむ前に知りたかった。


「最後のページは、まだ読んでない。てか、読む気も無かったし。違うことが書いてるん?」

「ああ、たぶんな‥。」

「たぶんって?」

「黒魔導師の予言通りなら‥ってことだ。そして、その予言は外れない。」


ジェットコースターが上空へと伸びたレールの半分を過ぎた。

夜空が段々と近付いて来た。


「予言書の予言を黒魔導師が予言するって‥。早口言葉みたい。で?その魔導師は、どんな予言したか知ってるの?」

あたしは、またセトに尋ねた。


 
< 136 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop