Bloody Kiss♡
あたしは、バーを強く握りしめ、真上を見つめていた。
外から見れば、レールに傾斜があることは分かるのに、コースターに乗っていると、まるで垂直に昇っているように感じる。
「怖い!」
てっぺんまで昇り詰めたら、次は真っ逆さまに落ちるような錯覚が待っている。
その感覚を楽しむ前に知りたかった。
「最後のページは、まだ読んでない。てか、読む気も無かったし。違うことが書いてるん?」
「ああ、たぶんな‥。」
「たぶんって?」
「黒魔導師の予言通りなら‥ってことだ。そして、その予言は外れない。」
ジェットコースターが上空へと伸びたレールの半分を過ぎた。
夜空が段々と近付いて来た。
「予言書の予言を黒魔導師が予言するって‥。早口言葉みたい。で?その魔導師は、どんな予言したか知ってるの?」
あたしは、またセトに尋ねた。