Bloody Kiss♡
「セト!レール!」
二つの単語を無我夢中で叫んだ。
「ああ、しっかりバーに掴まってろよ。」
落ち着き払った声で、セトは楽しむように言った。
ジェットコースターは、夜空に向かって走って行く。
切れたレールの端が急速に近付いて来た。
「なに?これ!!!」
そう叫んだ瞬間、視界からレールが消えた。
真っ逆さまに落ちるだろうことは、考えなくても分かる。
「いやーッ!!」
恐怖に絶叫した時
─ え‥?
ジェットコースターは、まるで大気圏を目指すように、スピードを上げ突き進んだ。