Bloody Kiss♡
「ルシ‥フェル‥。悪魔の名前?」
「ああ‥。ただ、少しばかり寄り道するけどな。」
「どこに?」
問い掛けるあたしにニヒルな笑みを見せて、セトは前方に視線をやった。
あたしも、つられるように前を見た。
なんにも無い空間に突如、長方形を描く青く光る線が現れ、扉を象った。
と、同時にジェットコースターは速度を落とした。
まるで、夜空の旅を堪能するかのように、コースターはゆっくりと進んで行く。
闇に青く輝く扉は、自動ドアのように開きコースターを迎え入れた。
「ね、教えてよ。寄り道って、あたしをどこに連れてくつもりなん?」
「着いてからの お楽しみだ。」
セトは、はぐらかすように答えて、小さく欠伸をした。