Bloody Kiss♡
stair.07 楽園
「マリィ、頼んだぞ。」
「ええ、セト様。」
あたしには不可解な会話を二言三言、その女性と交わしたあと、セトは振り向き
「彼女は、マリィ・リマ。お前を ある場所へ案内してくれる。ここから先、オレは進むことが出来ない。幻想の世界を満喫して来いよ。」
と、楽しげに言った。
「なに?どゆことよ?」
返事を期待したわけじゃない。
条件反射で訊いただけ。
「さぁ、お乗りなさい。魔王の花嫁候補様。」
「あ、はい‥。」
拒否したところで、どうにもならない。
答えをくれないセトにアカンベをして、マリィ・リマに促されるままに、あたしは真っ黒な馬に繋がれた歪な形の馬車に乗り込んだ。