Bloody Kiss♡


案内された城の中は、豪華だと感じていたセトの屋敷より、遥かにラグジュアリーな空間だった。

瞳に映る全てが光り輝き、贅沢さを放っている。


「すごい‥。」


物珍しさに見とれていると

「こちらは、ミュー。貴女の侍女ですわ。」

と、マリィの声がした。

振り向けば、ドレス姿の女の子が立っていた。


「魔王の花嫁候補様。お初にお目に掛かります。ミューでございます。」


両手でドレスの裾を軽く持ち上げ お辞儀する彼女は、見た目 15~16歳。

なのに、威風堂々としていて、圧倒されてしまった。


「では、ミュー。早速、花嫁候補様に御召し物を。」

「畏まりました。マリィ様。」


ドレスなんて、子供の頃に お誕生日の記念写真で着て以来。

興味が無いなんて、強がれなかった。

だって、女の子だもん♪


あたしは無抵抗のまま、ミューに連れられ、長い廊下に無数に並ぶ部屋の一室へと入った。


 
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