Bloody Kiss♡
「ええ‥。魔王様は、そのおつもりでマリィ様を魔界へとさらいました。ですが、聖なる力が働き魔王様はマリィ様に指一本、お触れになることが出来なかったのです。」
「聖なる力?」
「はい‥。私も、その点に関しては詳しく存じておりません。ただ、お怒りになった魔王様は、マリィ様の記憶を消し、この世界に閉じ込めておしまいになりました。マリィ様には愛するお方がいたと言うのに‥。そのことさえも思い出されることは無いのです。」
ミューが話している間、あたしの左手首をロザリオが ギュッと締め付けていた。
もしかしたら、ブラッディキスの魔力がミューの口を開かせているのかもしれない。
「愛する人って‥?」
あたしは、またミューに問い掛けた。