Bloody Kiss♡
「ん~、意外と素直じゃん。女は、やっぱ素直が一番だよな。」
「嫌々するんです!」
「お?早速、従順。もうメイド気分になっちゃった?上出来だよ、ロナ。」
「ちがッ‥!」
反論の言葉を遮って、彼は
「オレはセト。でも、今からはセト様と呼べ。いいな。」
そう指示をすると
「それから、オレ、バンパイアだから♪」
と、軽い口調で告げた。
「え?バンパイアって‥。」
本物の異常者‥
もしくは、ごっこ遊びマニア?
「吸血鬼だよ。知ってるだろ?」
「うそっ!そんなのいるワケ無いしっ。」
笑うポイントかもだけど、笑えなかった。
「大体、それ十字架やん‥。吸血鬼って十字架見ると死ぬんじゃないの?可笑しいやん‥。」
指摘しながら、セトのイヤカフから垂れたCrossに視線を遣った。
彼は
「バンパイアが十字架に弱いなんて、昔の人間が作った話だろ。基本、魔物ってのは死なないんだぜ。お前、何も知らねーんだな。」
からかうような口調で言った。