Bloody Kiss♡


「死なないの?何をしても?」


不思議と、あたしの中から恐怖感は消えていた。


「そう。仮に倒されたとしても灰になるだけ。そして、またいつか再生する。そうやって永遠に彷徨い続ける。それが魔物だよ。ただ‥。」

「なに?」

「吸血鬼に関しては、一つだけ方法が無くもない。」

「吸血鬼を消滅させる方法?」

「そう‥。」


セトが吸血鬼だなんて実感は湧かない。

その時は、ただ妄想の中でしか生きられない彼に、憐れみのような感情を感じていて‥。

「教えて。知りたい♪」

そう言ったあたしに、セトは

「自分を消滅させる方法を他人に教える馬鹿がいるかよ。」

と、ベッドから立ち上がり、ドアへと歩き出した。


 
< 18 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop