Bloody Kiss♡
「死なないの?何をしても?」
不思議と、あたしの中から恐怖感は消えていた。
「そう。仮に倒されたとしても灰になるだけ。そして、またいつか再生する。そうやって永遠に彷徨い続ける。それが魔物だよ。ただ‥。」
「なに?」
「吸血鬼に関しては、一つだけ方法が無くもない。」
「吸血鬼を消滅させる方法?」
「そう‥。」
セトが吸血鬼だなんて実感は湧かない。
その時は、ただ妄想の中でしか生きられない彼に、憐れみのような感情を感じていて‥。
「教えて。知りたい♪」
そう言ったあたしに、セトは
「自分を消滅させる方法を他人に教える馬鹿がいるかよ。」
と、ベッドから立ち上がり、ドアへと歩き出した。