Bloody Kiss♡


だからと言って、命ある者が天界の一部である天国に行くことは出来ない。

人間の血を引く以上、神である母の元でも暮らせない。


「こんなことなら‥、魔王の元で永遠の命と引き替えに記憶を失くしたままの方が、まだ良かったのかもしれません‥。」

マリィの瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。

とても、切なくなった。


天使達も口を閉ざしたまま、重い沈黙が続く。

あたしはマリィを見つめた。


「生きてたら、会えるよ。」

根拠なんて無い。

ただ、不運な運命を背負わされた彼女のココロが、少しでも軽くなればと思った。


「姿は違っても、きっと、生まれ変わったジョルジオさんに会えると思う。だから‥。」


あたしも、いつか七海に会えると信じてる。

現世でなくても、来世でも‥。

喪った友達に、きっと会えると信じてる。


「それに、今の人間界も面白いと思う。不景気やけど‥。マリィなら、ユニバのパレードでシンデレラになれるかも♪」

あたしは、にっこり笑って見せた。


 
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