Bloody Kiss♡
stair.02 色気なんて‥
セトと会話している内に、いつしか恐怖感は消えていた。
非道いことはされないと本能で感じたのかもしれない。
彼がその気になれば、手足を拘束することも、力付くで欲望に身を任せることも出来た。
けれど、セトは “メイドになれ” という馬鹿な条件を出しただけ。
今後、襲われるような危険も無いように感じた。
「吸血鬼なんて、ホントかな?」
さっき見た不思議な現象が、ふと脳裏に甦る。
あたしは腕に抱えたままのメイド服に視線を落とした。